「われわれは、愛と平等を否定」しうるか?−「障害」と「言葉」の関係を繋ぎなおすための考察/石川和広
 
コミュニュケーションの難しさ、対象のつかみがたさのヒントは得られるかもしれない

 例えば俳句は、わが国において、ひろく親しまれる文学である。おそらく、作者、読者は、現代詩をこえて、ひろい。よく、老人の趣味として、親しまれるのは、なぜか?

正岡子規を、考えてみればよい。
彼は明治時代当時、不治の病といわれる「脊椎カリエス」で、寝たきりであったのだ。
今、介護現場で、寝たきりは、「なる」ものではなく、周りが「寝たきり」に「させている」という認識が広がりつつある。
しかし、明治の頃、いい車椅子も、なかっただろう。その時、寝ているしかない、写生しかできない子規の情感溢れる目から見えた風景
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