「われわれは、愛と平等を否定」しうるか?−「障害」と「言葉」の関係を繋ぎなおすための考察/石川和広
 
乙武のような、民放で「かっこいい障害者の笑顔」を強要されるかわりに、福祉番組で「がんばってる顔や笑顔」だけを切り取られることも多い。
 これは、顔に対する認知にも関わるだろうが、ゆがむ顔、痺れる、強張る身体も、様々な処世や趣味がある。
 子規は、俳句というフィールドを作った。
障害には、それぞれの差異とフィールドがある。乙武氏は、日本のマスコミというフィールドを選んだが、差別的=逆差別的な日本のマスコミというフィールドを駆けるための、この国への批評的意識は、彼にあるのか?それは心もとなく、私は、彼の今後を危惧するし、もう、危機は訪れ、彼は富を得られても、障害者としての自分を襲う、彼を見た人や
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