ドリフ大爆笑2015/六九郎
腐った独語でしかない
自分の自我を、小さな自我を保つためのささやかな試み
狂った時代の狂った記憶
何のあてもなく何の目論見もなくただノートを埋めていく歪んだ文字の列
カタツムリが這った後に残るぬめぬめした痕
痕が途絶えたところでカタツムリは息絶えていた
カタツムリの残した意味のない模様
それがこれ
何の意味があるのか
分からない
年を経るごとに分からないことが増えていく
自分の名前すら忘れていくのだろう
すべてが霧の中におぼろげになっていく
霧の中に閉ざされた平安が訪れる
やせぎすの自我が乳色の霧の中に溶け込んでいく平安
自分と他人の違いも定かでない世界へ
うっ
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