すべての夜は悲しみの膝元にあり/ホロウ・シカエルボク
出しても抜け出しても
無駄が絡み付いてまた沈んでいく
清潔なごみ捨て場みたいな光景に囲まれて
様々な神に悪態をつく
すべての夜は悲しみの膝元にあり
漠然とし過ぎるから晴れない霧のように佇んでいる
土曜は安い花を数本持ってアニーの墓に久しぶりに顔を出し
あてのない時間をそこで潰した
特別どんな話をしたわけでもないけれど
まるで近しいもののように寄り添っていた
ことが終わって時間があるときは
よくそんなふうに並んでまどろんでいた
いま彼女はどこでなにをしているのだろうか
身体を失くした売春婦には
それに代わりになるようなものがなにかあるだろうか?
日曜には
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