さらばロックンロール/葉leaf
く詩を書く者の共感を得てきた。人によっては端的に「詩はロックである」と言ったりする。
だが、ロックの精神性は貧しいし、ロックの精神でとらえられた世界というものもまた貧しい。ロックにありがちな偏屈な硬直した感性では十分に世の中をのびのびと感受できないのは明らかだ。たしかにロックの感性は鋭く繊細かもしれないが、感受したものを孤独な自己陶酔の世界の中で自己完結させてしまうきらいがある。鋭く繊細に外界を感受しながらも、それをおおらかで柔らかい精神でとらえ直し発展させていくこと。そこにしか世界を広げていく希望はないと思う。
また、基本的にロックの世界は加害と被害の世界である。だが、人間の外界との関わ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)