リフレクション(鏡像に風穴)/ホロウ・シカエルボク
 
仕上げようとすればするほどそいつは現実味を無くしていく…子供のように描ける大人の画家がそんな世界じゃ正しいもののひとつだ、衝動は瞬間的な思考の連続によって研磨され、糸のようにもつれながら最もいい形を求めていく、それはお定まりな文法によって成り立つようなものじゃない、瞬間的に変化し続けるものに食らいついていけないのなら、そいつは少なくともいまおれが必要としているものじゃない、ひとことで終わるものなんておれは信用しない、それはたとえば楽譜を持ってない奏者や、言葉を持ってない詩人がやるようなことさ…見なよ、やつらは指先が痺れるほどなにかを描こうとしたことなどないのさ、だからいつも簡単に片付けようとするん
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