リフレクション(鏡像に風穴)/ホロウ・シカエルボク
 



化石を敷き詰めた絨毯のうえで胡坐をかいているような心境でおれは真夜中にこの部屋に打ち込まれた用途不明の一本の杭だった、外ではここ数週間の決まりごとのように雨が降り始めていて、濡れながら冷えていく時間はまるで二度と浮上出来ない潜水艦が深海へと消える映像を連想させた、そんな静寂はもしかしたらすべての欲望を叶えてくれるかもしれない、きれいさっぱりと手放せる、そんな意味合いで…密閉型のヘッドフォンの中ではインプロヴィゼイション・ノイズが流れている、思考を遮断するためのチョイス、表層のおれを千切りにしていく切迫したスピード、時々はそんなものがないといちばん陰鬱な刃物がキーボードに向かう袖口から覗
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