キンタマ王子、炎 /花形新次
わけにはいかない!」
ふっ、何か言ったようだが
日本人が自分の命を自由に出来たのは
もうずっと過去のこと
お前ら日本人は蝋燭の火のように
少しずつ少しずつ消滅していく運命なのだ
さあ、お前も消え去る時間はそこまで来ている
「やめろ、やめてくれーっ!」
この日本人の男の悲壮な声に
苛立ちを示す少年がいた
少年は耳の上で指をブラブラさせながら
彼らに近づいていった
なんだ?ガキは引っ込んでろ!
大佐が自分のピストルを抜いて
少年に向けた
周囲の人々は為す術なく
成り行きを見守るしかなかった
殺される!
そう誰もが思ったとき
少年がブ
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