キンタマ王子、炎 /花形新次
 
がブラブラさせていた指を
先ず大佐に、それから
日本人を押さえつけている
軍人二人に差し向けた
すると直ぐに大佐の頭から炎が
吹きあがり、次に軍人二人の頭が
炎に包まれた

「うぎゃああああ、あ、あ、あ、つ、い!」

この世のものとは思えない声を出し
三人は倒れ、動かなくなった

少年は何事もなかったように
こちらの方に戻ってきた

周囲の人々は起こったことが理解できず
無言で少年を見ていた

「うるさいのが嫌だったんだね、マサ?」
少年は何も答えず
また耳の上で指をブラブラさせた

「これでまた逃亡の日々が始まったな
まあ仕方ないか、俺達は日本人だからな、マサ」








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