自動車/葉leaf
翌日ちゃんと自分の家で目を覚ました。またあるときは、連日の残業により睡眠不足となりつい運転中に眠ってしまったのに、ちゃんと出張先までたどり着いてしまった。私はこれらを決して自分のなしたことのようには思わなかった。何か超越的な意識が介入することで自動車は私を救ってくれたのだと思い、畏れに打たれひれ伏した。
それだけではない。自動車はその発明以来瞬く間に数を増やし、今では地球の表面を余すところなく覆っている。この繁殖力には何か秘密があるとしか思えない。自動車の発明自体、超越的な意識の介入による神の必然のように思えるし、その後の自動車の発展や普及については、神の意志が介入しないことには不可能だったよう
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