看取り(1/3)/吉岡ペペロ
、ぼくは祖国の太陽を思い出す。
「当直の日は、息子さんもここに泊まればいいわ」
「息子の晩ご飯やお迎えはどうなるんでしょう」リーダーがめんどくさそうな笑顔になった。
「あなたはお子さんと一緒に夕方から出社するのよ」
ぼくの生活がざわめいた。ざわめいて不協和音のようなものが伸びていった。晩ご飯がつくれなくなるなと思った。たしかにお金はもっと稼ぎたい。息子にはここの食事のほうが合うかもな。それよりも深夜の仕事の内容のほうが気になった。
「そのミトリというのは、どういう仕事なんでしょうか」
リーダーが噛んでいたガムをメモ用紙にのせて口元を結んだ。それからぼくをきっと見つめて言った。
「ここ
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