古い観覧車/wakaba
観覧車がまわっていた
あかしろきいろが楽しそうにまわっていた
君が乗りたいっていうから
僕らは観覧車乗り場にやってきた
500円札を2枚つまんで受付に渡した
目の前にあかいゴンドラがやってきた
僕は錆びついた取っ手をひねって
カビくさいゴンドラの中に乗り込んだ
ゴンドラが少しずつ昇っていく
鈍い金属音を出しながらよろよろと昇っていく
君は淡泊な表情を浮かべてたけれど
僕は知らない振りをして外の景色を眺めていた
寒い冬の夕暮れ時だった
空は朱と青が混じった色をしていた
遠いふたつの山脈が初心な恋人みたいに並んでるのを眺めながら
僕は手元の空になったメローイエ
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