必要なものを必要なだけ/ホロウ・シカエルボク
っていい
それが自分自身を作るのだということを忘れさえしなければ
誇り高き無能などになることは決して無い
失われた絵はもう一度描かれるために
失われた音楽はもう一度奏でられるために
失われた詩篇はもう一度綴られるために
運命によって損なわれた、僅かな機会のズレや
僅かな感情の至らなさによって
人生は失われたリズムをもう一度求めることに他ならない
それ以外のことはさほど重要なことではない
君は詩人が好きかい、もしも詩人とはなんてこだわりを持っているのなら
そんなものはいま書いている詩と一緒に丸めて捨てることだ
生まれて死ぬまでのあいだに僅かでも足跡が残るならそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)