必要なものを必要なだけ/ホロウ・シカエルボク
だから生まれた国でもそうして演り続けている
2セット幾らのスーツを着たサラリーマンの群れが冷笑を浴びせても
小蠅を見つけたかのようにちらりと目を動かすだけだ
水滴が彼の額に一滴落ちてくる、まるで聖書の一節のように
部屋の本棚にはたくさんの詩集と小説、心を形作ってきたもの
影響は素直に表すけれど模倣だけはしない
オリジナルという概念を甘く見ることだけはしない
身体を動かすにはたくさんの食物が必要になる、心だって同じことだ
必要なものを必要なだけ取り入れて先へと進むことだ
ひとつの概念を吐き出せばまた新しいものが滑り込むきっかけになる
余所見をしなければなにを食ったって
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