性急な氷河のおもて、あるひとつの窪み/ホロウ・シカエルボク
気分になるが、帰ってこられるのならそんな瞬間は決して問題にするべきではない、それはたとえば日中不意に訪れる睡魔のようなものだ、そんな瞬間なら一日に腐るほど訪れる―以前はそんな瞬間をプレッシャーに感じたこともあった、けれど時々うとうとするようなものだと気づいてからはそんな瞬間が訪れたことすら忘れてしまうことが多くなった、そう、たまに眠くなるようなものだ、うっかり眠ってしまったところで、ちゃんと目が覚めるのなら問題にするようなことはなにもない―眠ったまま目覚めることが出来ないのなら、どのみちそのまま死ぬしかやることはない…このところ住処の周辺ではずっと工事が行われていて、そこらじゅうの歩道が掘り返され
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