放課後の家族/吉岡ペペロ
休んでもらうことにした。
弟にはきのうあったことを話した。弟に話しながら、男のひとにげんこつで殴られても痛くなかったことがふしぎに思えてきた。お腹には痛みもなんの跡もなかった。
だれかに、なにものかに、わたしは護られてでもいたのだろうか。
弟はひますぎてわたしの寝ている横にごろんして漫画を読んでいた。
「窓から竹やぶが見えるでしょ」
きのうの夜初めて見た母の寝室からの外の様子を思い出して弟に聞いてみた。
「竹やぶ?」
弟が立ち上がって窓を見る。
「生け垣しかないよ」
弟が少し揺れながらあたりを見回した。
「ちいさなおうちがあるでしょ」
わたしは熱でしんどくてめんどくさいな
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