いまだ降る光のレイン/ホロウ・シカエルボク
出来事が
消化されない感情が
消化されない記憶が
水溜りみたいな便器の底のたまりに投影されている
芳香剤の効果は
体裁ばかりが整った下手な詩人の朗読のようだ
冷え始める時刻
飲み込んだカフェインに踊らされて
心は火のように焼ける
炙られる感触をなだめられず
放牧地に駆け出す馬のように
野性は肉体をこじ開ける
走り出せ
強く地に下ろす脚の戦慄きを誓え
蝙蝠の羽が闇を叩いているので
いつもより騒々しい窓辺だ
眠りが翻るので夢身が悪い
いつしか枕を投げ出してしまう
眠らないと身体に悪いといろいろな人に教わった
でもそいつらの半分は早いうちに死んでしま
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