鍵/マゼンタ
 
です。勿体ないですよこれで終わりなんて」
「そうは言ってもねぇ、実際もうあんまり人が来ないし」
「館長ちょっと待って、ちょっと待ってください、館長にとって芸術品って何ですか、絵画についてどう思っているんですか」
「あのね徹君、芸術をなんだと思ってんの。私はこの美術館の館長をしてる。私が芸術だと言った時にそれは石ころでも芸術品なのわかるよね」
「展示をやめたら?」
「石っころだね」

許されない。あってはならない。僕にとってあの巨大な蝶の絵は真実であり善なるものでありそして美の象徴なのだ。館長は完全に頭がおかしくなってしまった。哀れなものだ。芸術は誰のものかって?決まってるじゃないか鑑
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