人生万歳/ただのみきや
ら金歯を拾い上げるように
風に飛ばされるだけの互いの言葉から
見つけようとするだろう 価値あるものを
見下し蔑むなら
己の形の小さな型枠で切り取ったことに気付かずに
歪んだクッキーにしか見えないだろう
詩語の中に身投げしたその愛も苦しみも
いいさ
毎度のことだから
潮だまりのように
人は流れ込みゆるゆる過ごしやがて
齟齬し潮が満ちる
波が連れて往く
さようならあなた
出世魚みたいに名前を変えて何度でも帰っておいで
開くまでも
比喩 開かずとも
開かずの箱の鍵は
限りなく透明で軽いもの
《嘘々そんなものないよ 裸のシロンメロン》
明けるまで夜がこの蛍火
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