人生万歳/ただのみきや
火を操る物書きたちには響きもしない
回りの杭をやたらに叩いてみたところで
おまえの背が伸びる訳じゃない
自由の国がおまえを試しているよ
裸の王様にもなれやしない
露出して騒いでみたところで
もともと王様じゃないんだから
飽くまでも比喩
飽くこともなく比喩また比喩
僕たちは星の数ほど金平糖を捧げ合った
目の裏 月の裏 壇ノ浦
銀色に響くリュート 盲目の吟遊詩人
嘘だ 捧げ合ったのは嘘だ
目から流れ鼻も口も塞ぎ耳はウサギ欹てて言葉かみ砕き
痴まみれの稚魚まみれのモゴモゴのお道化た誤読の泡沫に
膝を崩した長い触覚の神霧虫だった
尊敬を与え合うなら
灰の中から金
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