人生万歳/ただのみきや
巫女のような幼顔の娼婦
悪魔でも
比喩だよ
そう比喩なんだ
骨抜きにされた男が
骨しかない政府に立ち向かう
大腿骨に小便ひっかけてやる
尾てい骨や恥骨をいじくり回し噛みついて
《依然として赤頭巾ちゃんのフリをする》
おれは富裕層を憎んでいる
《本当は羨ましいけど》
比喩なんだ
冬の日差しに油絵となる
空に残された柿ひとつ
《あれは富有……
言葉は黙している
こじ開けられた胡桃の殻
おまえは黒船じゃない
おまえは難民だ
それがご自慢の大砲かい
ここではそんなの豆鉄砲さ
祭りの射的のコルク玉よ
重心の悪いキャラメルあたまを揺らす程度
火を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)