蟹妻/チアーヌ
足りなくなっちゃって。独身ってことで、来てくれませんか」
僕は見た目がまぁまぁなのと、無難な人柄を買われているのか、昔から合コンに良く誘われる。別に遊びが好きなわけでもないけど、女には苦労したことがない。
「ああ、でも・・・・」
「何かあるんですか、今日」
頭の中に、蟹の祐子のことがちらついたが、えさを与えてきたんだから大丈夫だろう。
「まぁ、いいよ。付き合うよ」
「すみません」
後藤が笑いながら離れていった。
その日の晩の合コンは、われながらとんとん拍子に進んで、気がついたら僕は渋谷のラブホテルで22歳の大学生にバックから突っ込んでいた。僕は今年で33歳だし、別に絶倫なほうで
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