蟹妻/チアーヌ
 
けど、ま、似たようなもんじゃないですか?」
「でも、蟹は海にいるんだから、たぶん魚とか食べるんだよな。煮干か、よし」

帰り道、自宅近くのスーパーで、煮干を一袋買うと、僕は家に帰った。
すぐに脱衣所に置いてある水槽に向かう。
蟹の祐子はおとなしくそこにいた。
「祐子、えさだぞ。煮干だぞ。食べるだろ」
僕は水槽の中に煮干を入れると、少しほっとしてリビングのソファに腰を下ろし、冷蔵庫からビールを取り出し飲み始めた。

次の日の朝、後藤と顔を合わせると、後藤が手を合わせて近寄ってきた。
「おはようございます聡史さん。実は今日ちょっと、付き合って欲しいんですけど・・・。合コンの人数足り
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