世間が変だ?3(関連の最新トピック付き)/石川和広
しかに医療がひどかった時代に発病し、社会への足がかりを失ってしまった人です。近年になって発病して入院した人がどうか、ということはきちんと分けて考えなくてはいけません。大雑把なマスとして捉え、アメリカは二週間で退院、日本は数年。だから日本の精神医療は遅れている、というのは、議論としては荒っぽすぎますね」。
滝川氏はまた、アメリカ型の精神医療(DSM診断マニュアルと、脳の損傷に疾患の原因を求める生物主義、薬物治療への過大な依存に代表される)を、近年、とみに無批判に受け入れている現状に、強く警鐘を鳴らす医師の一人でもある。この改革の方向性はアメリカの精神医療がモデルとされており、それが大きな危惧だ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)