社会の中に生きる者として詩を書く/葉leaf
 
もちろん詩に印された社会の刻印を極力排除することは可能だが、私としてはむしろ積極的にこの社会というものの刻印を詩に刻んでいっていいと思うのである。我々は社会に傷つき、社会に参加し、社会の中でうまく立ち回っていく。社会から受けた傷は、失恋によって受けた傷と等価であるだろうし、社会の中で立ち回っていくことは自然との呼びかけあいを感じるのと等価であるだろう。
 社会は物質的に不条理であり、我々を常に裏切っていく。社会は人間にとっての身近な大きな謎であり、我々の不断の探求の対象となるものであるし、我々の生に深く影響を及ぼす。その中で翻弄され、傷つき、それでもうまく付き合い方を探っていく、そのような過程は
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