光/あおい満月
 
0歳になった頃には
銀座のバーでホステスになって働いた。
そこで、
ある男と知り合った。
職業は、
ある輸入品を買い入れている会社の社長だという。
あたしは彼の
南国の蛇のように
くるくる変わる不思議な目の色に惹かれた。
初めて鼓動を重ねた夜は、
南米に拡がるひび割れた大地のような胸に恍惚した。
ついに、
生涯を共にすると決めた日に、
彼はあたしに、
一袋の白い粉を差し出した。


(これを吸えば、
ここには在るけれど
ない場所へ行けるよ。
一緒に来てくれないか)

言われるがまま、
あたしはその粉を
いぶし
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