ネバーランド/ホロウ・シカエルボク
 
に感じてしまう―飲み干したコカコーラのアルミ缶を握り潰して、カラカラの川原に浅い穴を掘って埋めた、なにかそんなふうに、血の通っていないものを埋葬したい気分だったのだ、そうしてしまうと周辺が途端に薄暗いイメージに包まれた気がした、たったひとつの愚行がはからずもその荒れ果てた一帯を象徴してしまったのだ、本当に拙いことをしてしまったと思ったがいまさらどうすることも出来なかった、間違えて掘った穴は埋め戻したってそこだけ色が違うものだ―近くの工場からはラジオの音が聞こえる、懐かしい洋楽を流している、そのシンガーは二十年近く前に事故でこの世を去った、どんな気分だろう?自分が二度と歌えないうたがこうしてオンエア
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