ネバーランド/ホロウ・シカエルボク
太陽は無数の光線に変わりながら急速に変化していく季節に強い陰影を塗りつける、空を目指していた草花たちが運命に漂白され、緩やかだった風は翻る、それまでそこにあった、生命の象徴のような温度を拭い去っていくかのように…ほぼ流れの涸れ果てた川のほとり、ろくに整備もされていない公園のベンチに腰掛けて酷い爆発のあとみたいな切れ切れに散らばる雲を見上げていた、ついこのあいだまでそいつらは力こぶのように強靭に盛り上がっていたというのに…すべてはそんなふうに失われたみたいに変化していく、それを喪失なんて言葉にするかどうかはもちろんこちらの勝手に過ぎないのだが、とりわけこの季節の終わるころは酷くそんなふうに感
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