『戦争詩歌集事典』高崎 隆治より、戦争詩を考える。/こひもともひこ
 
類できる。これらの内容には、あからさまな反戦や、国への批判等は書かれていないものの、書かれた作品が戦争肯定に寄っているのか、戦争反対に寄っているのかは大体分かる。また、戦争肯定/反対という視点とは別に、これらの作品群を読んでいると、他の事情も読み取れるのがおもしろい。一つは飢えの問題。詩の中に、食うこと・飢え・食糧不足なことがやたらと出てくる。これは水木しげるの漫画『総員玉砕せよ!』に描かれていた兵士の姿そのままであった。彼らはとにかく腹が減っている。対照的に、上官は食物に困っていないところなども、今の北朝鮮そっくりだ。もう一つは、「支那兵」という言葉がいくつも出てくることから、戦っていたのは米露
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