晩夏、おまえの血を/ホロウ・シカエルボク
 




今日を殺そう、ベッドの上で
首を絞めて殺そう
頭を押さえつけて、喉を掻き切って殺そう
馬乗りになって、もとの形がなくなるまで
殴って、殴って、殴って、殴って、殺そう


初めて詩を書き始めた十代のように
調子よく自惚れることなんかもう出来ない
現実も幻想もごった混ぜのまま
シーツで丸め込んで動きを封じて
殺そう、殺そう、殺そう、殺そう
今日のうちに息の根を止めておかなければ
余計なものが膨張して現実に支障が出る


殺しておけ


酷い打撲のあと傷口から滴り落ちる血のような雨の音が
窓の外で展開されている
膨れ上がって切ない息をする今日の上
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