晩夏、おまえの血を/ホロウ・シカエルボク
の上で
ひどく昂ぶりながらその音を聞いている
雨に濡れた日はいつまでも
身体のどこかが凍えたままでいる気がする
それはジャングル・ビートだ
けたたましいが血の温度は微塵も感じない
殴りまくったあとの腫れた指や
痛む関節のことなどは
殺意のあるあいだには気付かないものだ
すべてにカタがつき、呼吸が落ち着いて
人間みたいにものを考えることが出来るようになってようやく気がつく
言葉にすればそれはダメージというようなものだけど
疾患のような心臓のビートはそれ以上の何かを語っている
タチが悪い、始末に終えないぜ
純粋なやつほど殺意を抱くものだ
神のために殺人を犯
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