アイスクリーム/ありか
同する
鉛筆を振り回して思考を飛散させ
そのままのらねこを捕獲する
ねこどもの肉球は
かれらが日ごとに踏みしめるいくらかの影を
含んでおり 吸収しては黒くなる
眠くなるが
夜は粉々になっているのでこない
きみがいつも吹いていた口笛に
似たような音律の歌声が街を飽和してゆく
だだっ広い街のいちばん隅で
よるべないお姫様が取り残されている
起爆スイッチを押したのは
かのじょだろう
うつくしい歌をくちずさむその横顔は
魔女のそれとなんら変わりはしなくて
かなしい顔でバニラアイスを舐めている
歌声は遠くかすれて
手のなるほうへしか進めないわたしが
憧れていた自
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