取り返した靴/Neutral
た懐かしき部室
まじまじと思い出される日々
パソコンの中には一年でいなくなった先生の
子供のことが書かれたホームページを
見ることができた
だがやがて憎いあいつが現れて
僕は逃げるようにそこを後にした
さらに彷徨い歩いて僕は
見たこともない田舎道に辿り着く
気づくとすっかり周りは暗く
僕は近くの民家を訪ね
近くにバスかタクシーは
ありますかと尋ねる
そんなものないよ
ずっと昔に村の衆が
面倒くさがってやめちまったよ、と
初老の夫婦は言った
車で家まで送ってくださいますかと
恥を承知で頼んだが
どう走ればいいか分からないと言う彼ら
家に泊めるのも難しいと言われ
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