スライドする時は気だるいタップを踏む/ホロウ・シカエルボク
、だから名乗ることをやめてしまうのだろうか?名前になんてどんどん意味は無くなる、こんなところで呆けて天井を見ているとそんなことがしみじみと感じられる…眠りの中で、踊らされているようなものだと、そんなふうに感じることは無いか?いまのこの瞬間ではなく、生まれて死ぬまでの人生というそのものが、眠りの中で踊らされているようなものだと感じてしまうことは―?無理もない、無理もないよ、昔は判らなかった、そんなことについて本気で戸惑っていた、でもいまなら判る、いまなら少しは判る、人生について少し語るだけの時間は過ごしてきた、確かな瞬間なんてほんとうにほんとうに数えるほどしか人生の中には存在しないのだということ、そ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)