スライドする時は気だるいタップを踏む/ホロウ・シカエルボク
、そのことがはっきりと判っている、朦朧として…陰鬱なまどろみのような時間を、幾度となくやり過ごしてきただろう?だが驚くなかれ、他人様が日常と名づけているのはたいがいそんな状態のことだ―彼らは河のほとりで、その流れを見つめていることを成長と呼ぶのだ、こちらにはそんな気は毛頭ないというのに…!一度身体を起こすか?それとももう一度気だるい夢がだらだらと続く眠りの中へ潜り込むか?きちんと準備を整えてから眠ればもう少し大人しい景色が見られるかもしれない、でもどちらにしてもそんな誤差は、翌日の目覚めにどんな名残も残しはしない、瞬きの記憶のようにうしろへうしろへと流されていくだけだ、時の足音を聞け、視神経に強烈なショックを与えてくれるものがそこにはきっと隠れているはずだから―視神経にショックを与えるんだ、視神経にショックを与えるのさ、時には目を離してはならない瞬間が訪れることを忘れるな、無自覚で居ることはなによりも罪なことだ―。
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