スライドする時は気だるいタップを踏む/ホロウ・シカエルボク
さん見つけてきた、書いてから何日も経ってから思い出すことだってあった、きっとそれはずっと繰り返されるのだ、書く理由なんてきっとずっと同じものなのだから―このところ少し涼しい日が続いていたのに今夜はなんだか嵐の夜のように蒸し暑くて寝苦しい、九月のエアコンは消化試合のピッチャーのように見える、ヘイ、本気だしていこうぜ、と茶化してもすましている、眠れない夜、そんなうたがあった、子供のころにテレビでよく流れていた、寂しいくせにギラギラと尖っていて、とても魅力的な代物だった、そのころはまだそんな夜が自分にも訪れることを知らなかったからだ、文字通り、夢にも思わなかったというやつだ…アンビエント・ミュージックを
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