『忘れる』/hahen
 
全ての生命に
干渉せず、完全に独立しているはずだ
東京都庁の展望台から真正面に見たって、
アマゾンの日々増え続ける新種の木々の梢から垣間見たって、
同質のものでないと
立つ場所を変えたって、
空は表情を変えない
そう言ってあなたはきっと
長い銃口を飲むんだね。
きっかり十秒、逡巡して、引き金を押し込む

スッ、と
喉頭から小脳を突き破って
星が流れる。

あらゆる炎をみんな鎮めてしまう雨が上がったので君に会いたいと思った。どこに行ったって会えるのに空が音を立ててひび割れる。限界が近いんだ。もうじきに誰も避けられない巻き戻しのような崩壊が始まる。終わる。瞬きを二度する間
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