墓石の幻想郷/あおば
だ
その翌年祖父は亡くなり、運良く帰還していた父が葬儀を済ませ、またすぐに
軍役に戻って行った。用意の良い祖父は息子思いだったんだなと、その話を聞く度に
思った
父が亡くなり、新しい骨壷は石工の手で納骨所(カロート、石棺、納骨棺)に納められた
それ以来、父には会ったことがない、母の時に見ようと思えば見れたのだけどなにか他の用件が起こりそれに気を取られている隙に骨壷埋葬を見るチャンスを失った 埋葬の時は親戚知人が狭い墓所に集まるから、気をつけていないと見損なうのだ しかし、無心論者の私はそれを少しも後悔していない 何故と言うと焼きあがってまだ温かい骨を拾う時に小さな破片を口に入れ呑み込んだ
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