墓石の幻想郷/あおば
 
んだからだ 自分の身体の一部分となった母の骨は私を安心させてくれているようだと今この文章を書きながらも感じているが、何年か経つと、骨を含めて人の身体はすっかり食物からえられた栄養で入れ替わると知り、もう殆ど、残っていないなと思うが、また口にする気はない 父母の身体は火葬され殆どの部分は気体となり大気循環しているから、極く微量の父母から発生した気体を日々取り込んでいるのだから、わざわざ骨壷を取り出して骨を取り出す必要も無いわけだ
祖父の造った墓の白い御影石の墓石は横に父母の戒名を加えられ、朝日を浴びてのんびりと日向ぼっこをしているようにも見えた。東向きでよかったなと祖父の心配りに感心するひと時でもある。


初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、はかいしさん。




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