ある日の雨が終わる時のイメージ/ホロウ・シカエルボク
 
に上手く把握出来たりするもんじゃない、地図がどうして生まれたか知っているか?誰かが以前にそこを歩いたからだよーぼんやりと考え事をしているうちにおれはいつしか雨の音を忘れ、また雨の方でもおれという人間の存在をー容姿や息遣いを忘れ、そして空は何事もなかったみたいに黙り込む、おれはまだなにも起こってないみたいな顔をして何処とも知れぬところを歩き続けている…腕時計が夜光塗料でぼんやりと時刻を浮かび上がらせる頃には、今日という地図がどんな形をしているのか判るのかもしれない、雨はきっと知らない間に止んでしまったんだ、おそらくは聞こえなくなったあの瞬間にーそうと認識出来なくなった時点で、出来事は死んで化石になっ
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