そこから世界を照らす光は見えるかい?(アイ・シャル・ビー・リリースト)/ホロウ・シカエルボク
 
など何も期待しないで
どうせ途中で醒めてしまう夢のことなんか
投げ出した言葉は死体になる
投げ出した心は憎しみに満ちた敵になる
それはまるで刃物のようで
尖る刃先が反射する光は
この世界で一番凶暴な涙のように思える


取り残された夜は携帯を開いて
もう繋がらなくなったことが判っている名前をコールする
この前までは呼び出し音が鳴っていたけれど
今夜は冷たい声が使われていないと告げただけ
そいつがまるで知り合いだったようなふりで
しばらく下らない話をしてみた
すぐに馬鹿らしくなって電話を切った


届かぬ者を呼ぶこと
届かぬ声を綴ること
届かぬ言葉を叫ぶこと
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