放熱とシックスセンスの歌/瓜田タカヤ
 
の車の運転席が、バックミラー越しに見えた。
車内ではカップルらしきやつらが、ディープなくちづけを交わしているではないか。

俺はうらやましいなあと思いながらずっとバックミラー越しに
覗き見ていたのであるが、彼らの重なり合った顔が離れた時、
男性の顔が見えた。それは若い男ではなくて、メガネをかけた普通のおじさん
っぽい人であった。女のほうは、それよりはいくらか若い感じではあった。
彼らは、キスが終わった後に二人で満足げに笑っていた。

信号が青に変わり、俺は右折し、跨線橋の上を渡った。
降り際また信号に引っかかってしまい、さっきのカップルもまた
俺の車の後ろについた。そこでまた
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