紙折る手/あおい満月
一時期は折り鶴にはまった。新宿で行われていた大きな詩の朗読会の最中でさえ折り鶴を折っていた。幸い、観客だったからまだ救われていたが。「どなたかご病気のかたでもいらっしゃるんですか」などと某詩人に声を掛けられたりもしたが(あのときは流石に赤面した)。 折り紙エピソードでもうひとつ思い出すことは、『切り絵』である。紙を今度は切り刻む事だから、逆説じゃないかと思う方もいるだろう。切り絵は、わたしが先天性の両足関節の病で入院していた幼少の頃に、看護師に教えて貰った。はじめは四角や三角におって角や脇を切っていく。広げてみると如何なものか。四角のものはクローバーの葉に、三角のものはダイヤモンドになる。この切り
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