アンドロイドのアーリー/オダ カズヒコ
 
すのに
少し手間取りはしたが
一時間もすれば
アーリーはただの部品の
鉄くずの山になった

解体したアーリーを
リュックにぎゅうぎゅうに詰め込むと
僕はチャリに乗り
町に一つだけあるプールに向かった

夏の避暑地になっているこの町の
観光客とちらほら すれ違いはしたが
誰も僕に奇異な目を向ける者はなかった

プールに着くと
真帆ちゃんがいて
潮風に長いフレアスカートを翻しながら
セミロングの髪を押さえ
「ほら」って
四葉のクローバーを僕の鼻先にツンと差し出した

ガチャガチャと鳴るリュックを肩に担ぎ
真帆ちゃんの手を引っ張って
コンクリートのプールサ
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