アンドロイドのアーリー/オダ カズヒコ
ルサイドを歩いた
僕らは汗ばんでいた
真帆ちゃんはなぜかしら空を見上げている
きっと失望よりも安堵に近いんだろう
この町に存在する
最後のアンドロイドのアーリーを
真帆ちゃんとふたりで
もう使われなくなったプールの水底に
「ドボン」って
リュックごと思い切り沈めた
ブクブク泡立つ気泡が
水面に消えるのを待って
ふたりはチャリに乗り
再び仕事場に向かった
いつもよりうんと強く背中にしがみつく
真帆ちゃんの腕の力が
なんだか愛らしくってさ そんでもって
とっても痛かったよ
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