認識しないまま知り続ける/ホロウ・シカエルボク
返りはしない場所で
別れを告げる音は一瞬だけれど永遠のように尾を引く、ときにはそれがすべての終わりにまで導いてしまう時だってある、足元は確かか、踏み鳴らして、足に痛みが走るまで踏み鳴らしてみてもそれは確信には変わりはしない、足元の確かさは、物質としてはきっと絶対感じることなど出来ないものなのだ、それがどんなものなのか可能な限りに表現してみるとするなら、それは絶対に終わることのない詩を書き続けることに似ているのだろう
激しい雨が降る、雷を伴う激しい雨が降るって、天気予報は朝から話していた、雨は降ったけれど雷なんて一度も鳴らなかった、おれはそれを楽しみにして一日を過ごしていたのに、大地を揺るがすよ
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