認識しないまま知り続ける/ホロウ・シカエルボク
 







甘い夢は廃れるか、苦いリアルは身を蝕むか、長い日向に焼け落ちるか、本当の夜に気がふれるか、運命は蛇の牙のように鋭利で正確だ、心魂の根元まで食い込んで毒を撒き散らす、存在が痺れて、まなこはありもしない風景を見る、ひととき呆然として、それを眠りだなんておれにはうたえやしない
誰も呼び出せない回線を呼び出し続けているような音が耳の奥で鳴り続けている、どこに繋がろうとしている、誰を呼び出そうとしている?思いつく限りの名前を上げ連ねてみてもまるでそれは的外れに思える、きっとそれは、はじめからどこにも繋がらない回線であり、おれはそれを知っていて鳴らし続けているのだ、こだますら返り
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