月の民/dopp
よろと行ってしまった、とセンセイは言いました。どうして追わなかったの、とアインは一応センセイに聞きました。なんとなく自分も、そうなったら追わないだろうな、とはわかっていましたが、聞いたのです。センセイは、わからないけど、ああ、行くんだな、と思ったから、追わなかったと言いました。アインも、僕もやっぱり、そうするだろうな、と思いました。
アインは月を追う暮らしを続けながらも、どうして月を追っているのか、いまいち分かりかねていました。そもそも、僕は一体いつから月の民になったのだったかしら、ということも思い出せずにいるのでした。
センセイに尋ねてみたこともあります。僕は一体どこでセンセイのセイトに
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