月の民/dopp
 
、交互にアインとセンセイを見ていました。センセイは答えました。「わからない」アインは尋ねました。「どうして僕たちは月を追うんですか?」「わからない」センセイは答えました。アインはうつむいてじっと考え込みました。何回も繰り返した問答でした。その度にセンセイは目を見張って、真っ直ぐにアインを見ました。真っ直ぐな目でした。アインは顔を上げ、言いました。「でも追いつきません」センセイは答えました。「そうだな」アインはまた考え込みました。アインがもう一度顔を上げようとした時、ヨナが金切り声を上げて砂を焚火に投げました。三人はさっとヨナを見つめました。リクトが立ち上がると、ヨナの側にしゃがみ、とんとんと両手で
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