月の民/dopp
から入り、食料や雑貨を買い込むと毛馬にくくり、また同じように街から出て行きました。そこで再び月を追い始め、元の群れに合流するのでした。本当は、元の群れなんかではない、別の群れだったのかもしれないけれども、とにかく月の民に、合流するのでした。そうして買い込んだ食料雑貨を配り、群れに容れられるのでした。
大地を歩き回る月の民は、街の人々よりも多く、星の光を浴びました。星の光は、淡く美しい虹色で、光を浴びた後に服をはたいたり、髪の毛を振り乱したりすると、さらさらとこぼれて七色の砂になりました。それを遮光瓶に貯めておいて、街で食料雑貨と替えるのです。この砂は、ずっと淡い光を放ち続けますが、火や太陽の放
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